■第90号 2005年9月5日号

■またもDPF装置付近から出火!走行中の大型バスが炎上〜本紙指摘が的中!昨年の事故に続き今回も三井物産製DPFを装着


  首都圏で施行されているディーゼル車規制で、東京都など1都3県が使用を認可しているDPF装置について、かねてから本紙は車両火災の危険性を報道し続けてきたが、再びそれが現実のものとなってしまう車両火災事故が発生してしまった。昨年4月5日、中央自動車道を走行中の大型バスの車体後部が炎上し、乗員乗客43人が避難する事故(既報)が発生した際に、本紙はこのままでは気温の上がる夏場に火災事故が多発する危険性を指摘していたが、猛暑が続いた今年8月中旬、今度は常磐自動車道でDPF装置周辺から火の手が上がるという、大型観光バスの車両炎上事故が発生した。警察や消防の鑑識結果が出ていない現在、東京都などはDPF装置の関連性について否定的な見方をしているが、奇しくも今回の事故も昨年の事故と同じく、装着されていたDPF装置は世間を騒がせた三井物産製のものだった。(安村浩司記者)

  DPF装置から出火したとみられる事故は先月16日深夜、千葉県柏市内の常磐自動車道上り線で発生した。浦和中央交通梶i岩崎正剛社長、さいたま市南区)が所有する大型観光バスが走行中に突然出火し、乗客乗員44人が路肩を歩いて避難したという事故である。

  茨城県警高速隊によると同日午後11時30分ごろ、柏市内の常磐自動車道上り線で、岩手県内から千葉県内に向かっていた団体客を乗せた同社所有の大型観光バスから突然出火し、エンジンルーム付近から炎が立ち上ったという。
  事故現場は立体交差によるトンネルが連続する区間だったこともあり、ドライバーは路肩にバスを緊急停車させ、乗っていた乗客42人と添乗員1人に対して車外に脱出するように促した。脱出した乗客らは約3.5キロ離れた場所にある流山ICを目指して歩き出したが、火災発生の通報を受けて現場に急行した消防車や救急車が歩いていた乗客たちを保護し、流山ICまでピストン輸送した。
柏署の調べに対し、ドライバーは「走行中にバッテリーランプが点灯し、後部から煙が上がった」と話している。同社によると、出火した大型バスは平成3年式の三菱ふそう製で、プロペラシャフトなどの不具合でリコール対象車となっているが、必要な修理は受けていたという。同社では整備状況に問題がなかったことや、出火したエンジンルーム付近にDPF装置が装着されていたことなどから、今のところ「DPF装置が出火原因とみている」(岩崎社長)としているが、近く第3者の事故調査鑑定人を交えて、出火原因を特定することになっているという。
  同社が装着していたのは、奇しくも昨年4月に発生した火災事故車両と同じく、三井物産製のDPF装置だった。同社ではこの事故の約10日後の同月下旬にも、同じく三井物産製のDPF装置を装着した別の大型バスで、後輪タイヤ付近の泥除け部分がDPF装置の発熱によって溶けるという被害にも遭っている。
  こうした状況において、同社は三井物産に早期対処を求めたが「なかなか応じてくれない」(同)と、怒りをあらわにしている。同社では三井物産に対して、保有している全車両からDPF装置を外してほしいと連絡した。このままでは安全な運行が保証されないばかりか、対外的に自社のイメージが失墜してしまうからだ。
  だが、三井物産の担当者は「装置を外せば規制対象区域は条例違反となり走行できなくなる」と告げるだけで、一向に対処しようとしないという。これらの車両はすでに仕事の予定が入っていることから、同社では「ほかの車両に切り替えざるを得ない」(同)として困惑の表情を浮かべている。
  今回の事故について、三井物産では「事故の発生や当社の装置が装着されていたことなど、まったく把握していなかった。早急に調査して回答したい」(本社広報部)と述べるにとどまっている。
  また、東京都では「警察や消防の調査結果が出ない限りはコメントすることができない」(環境局自動車公害対策部計画課長)としながらも、昨年の事故については「山梨県警から火災事故はDPF装置が原因とは考えにくいという報告を受けている」(同)と述べ、今のところ今回の事故についても同様の見方をしていることを示唆している。 昨年の火災事故の場合は事故前日に燃料漏れが生じており、応急処置が取られていた事実から出火原因が二分されていたが、今回の場合は事故車両に何の不備もなかった。トラックとは異なり大型バスの場合は、密閉されたエンジンルーム内にDPF装置が装着されることから、発熱性の高い同装置が出火原因となる可能性は皆無ではない。まして、再び三井物産製のDPF装置が装着されていたことを考慮すれば、その可能性は高まる一方といえる。
  専門家による詳しい鑑定結果が待たれるところだが、本紙はその鑑定に立ち会うことになっている。当日の鑑定内容については、次号で明らかにしていく。



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