■社説〜問題点溢れる規制とDPF装置への追及緩めぬ本紙の覚悟 首都圏をはじめとする多くの運送事業者を苦しめ、来月で条例が施行されてから丸2年が経過しようとしているディーゼル車規制。後付け装置は信頼性や技術的に数々の課題を抱えながらも、支持率の高さを背景に石原慎太郎都知事が強引に施行したのは平成15年10月のことだった。貨物や旅客の運送事業者だけでなく、当時は条例を司る行政側にも大きな混乱が発生したことは記憶に新しい。 同条例の施行前から施行後の現在に至るまで、本紙は一貫して数々の矛盾や疑問点を追及してきた。施行後半年経った同16年4月には、都の審査会で認可を得たアペックス社製のDPF装置の不具合について、また、同月と翌月にわたってはいち早く認可を得ていた三井物産製の装置を装着した大型バスによる車両火災事故や、性能や耐久性などの問題点を大きく取り上げてきた。 このほかにも、同規制に関連した報道をとどめることはなかったが、ことDPF装置に関しては多額の血税が投入されており、行政と装置メーカーの利害関係などが複雑に絡み合った上、ユーザーである事業者が多額の出費を強いられておきながらも装着を機に著しい不利益を被った点など、数々の許し難い実態が取材を通じて浮かび上がってきた。これらの実態に集中的に取り組んできた本紙の足跡は、運送事業者向けの専門紙として当然のことと自負している。 そして同16年11月、施行から1年が経過したばかりの晩秋に、三井物産によるDPF装置のデータ捏造事件が発覚し、ついに専門紙の枠を超えて国内のあらゆるマスコミが取り上げたことで、業界外にも広く知れ渡ることとなった。この当時、テレビ局の報道記者など多くのマスコミが本紙に情報収集を求めてきたが、彼らの狙いは多額の血税投入と大手総合商社の不祥事に加え、旅客の人命が危険にさらされているという点に大半が占められていた。 そのうちの1点であった旅客の人命が今回、またも高速道路を走行中の大型バスで発生し危険にさらされた。これまで火災事故に遭ったバスは、いずれもほぼ全焼状態のため原因の特定は困難を極め、その度にDPF装置の危険性が指摘されることは回避されてきた。だが、同規制の施行前と比較して格段に増えたバスの火災事故件数を鑑みれば、あまりにも不可解としか例えようがない。DPF装置をめぐる本紙の追及は今後、装置と同様にさらに過熱していくことを期待していただきたい。(Y) <<<Back Next>>>